前回、マレーシアでの教育移住を決めるまでの経緯をご紹介しましたが、今回は実際に学校を選んでいった過程をご紹介します。
マレーシアで選択できる教育カリキュラム
マレーシアには約180校のインターナショナルスクールがあるそうです。(出典1)新設校もどんどんできています。
マレーシアにあるかなりの数の学校がケンブリッジ式ではありますが、グローバルなカリキュラムから子供の個性に合わせてどのような教育がベストか検討できるところがいいところと感じましたし、個人的にもどのような教育カリキュラムがあるのかを学ぶいい機会になりました。
以下、簡単に挙げてみます。
ケンブリッジ式カリキュラム(英国式カリキュラム/イギリス式カリキュラム)
イギリスのケンブリッジ大学が提供する国際的な教育プログラム。中等教育段階では、GCSE(一般中等教育証明書)やその国際版のIGCSE(国際一般中等教育証明書)を受験します。
大学進学のためにA Level(Advanced Level)を履修します。A Levelでは、生徒が得意な科目を選択して専門的に学ぶことができ、進学のための重要な評価基準となります。
IB(国際バカロレア)式カリキュラム
国際バカロレア機構が提供する世界的に認められた教育プログラム。総合的な学習、国際理解、文化交流を重視し、高い教育水準と生徒の総合的な発展を促進することを目的としています。
大学進学にはIBディプロマが必要となり、評価基準は外部試験、内部評価など、さまざまな評価基準に基づいて行われます。
アメリカ式カリキュラム
幅広い選択肢とカスタマイズ可能な学習経験が特徴です。アメリカ式カリキュラムは、多様な科目や活動を提供し、生徒の個々の興味や能力に合わせた教育を目指します。(州ごとに異なる場合があります)
大学進学の際には、学業成績を示すGPA(成績平均点)やSAT(大学進学適性試験)、ACT(American College Testing)のスコアを提出することが一般的です。また、ボランティア活動やスポーツなどの学業以外の活動も出願時に評価されることがあります。
カナダ式カリキュラム
包括的でバランスの取れた教育を提供します。基礎教育と応用学習を組み合わせ、生徒の創造性や批判的思考能力を育成することを目指しています。(地域ごとに異なる場合があります)
大学進学の際には、成績やエッセイなどの提出が一般的です。また、一部の大学ではSATやACTのスコアを提出することで学力を客観的に証明することが求められる場合もあります。
オーストラリア式カリキュラム
包括的で実践的な教育を提供します。オーストラリアンカリキュラムは、現実世界の問題解決能力を重視し、実践的なスキルやリーダーシップを育成することを目的にしています。
大学進学には、ATAR (Australian Tertiary Admission Rank)と呼ばれる標準化試験のスコアが重要な役割を果たします。
子供の個性とカリキュラム選択
こんなに選択肢あるんかい!とツッコミつつ。はてさて何が我が子に合いそうなのか。
息子はアメリカに行きたい学校があり、学校ありきで決めているので、教育カリキュラムを検討したのは今回が初めてです。それぞれの教育方針については、日本やイギリス、オーストラリア、一部アメリカのように試験に比重を置く教育なのか、IBやカナダのようにより個別具体的な活動に比重が置かれているのかが大枠で違うようです。どちらがいい悪いではなく、選べるのであれば子供の性格に沿って検討するのがいいと感じました。
学校選びで検討した項目
娘は日本でIBの認定小学校に通っていたので、IBもいいなあとは思いつつも、一番優先順位が高いのは英語の基礎力をつけることと判断しました。
そのため、英語のサポートの手厚い学校に絞っていきました。学校を絞っていく作業の中で、以下の点をマトリクスにまとめ検討。
- 学校の目指している方向性は教育方針に合いそうか
- EALの体制
- 国籍比率
- 学費
- 口コミ
- スポーツに対する取り組み
- エリア
今後のことを考えると「そのカリキュラムを続けた先の大学受験はどんなものになるか」も大切なポイントになるだろうと感じ、散々悩みました。
ただそれは杞憂で、マレーシアのインターナショナルスクールに通っている人たちは驚くほどフットワーク軽く転校するので、10歳で決め切る必要はないと引っ越してから気づきました。日本に戻る選択肢ももちろん残っています。
今は、14歳くらいになった時に、英語の基礎ができていて、本人にあったカリキュラムが選べていたらいいのかなあという所感です。
最終的にはインスピレーション
検討作業を経て、ケンブリッジ、IB、カナディアンと4校ほど選び、学校見学に行くことにしました。インターネットで調べられることは限りがあり、最終的には行ってみてインスピレーションで決めるしかないよねと。
実際に見学に行ったのは、2023年9月の頭でした。夏休みの方が娘は動きやすいのですが、当然マレーシアの学校も夏休みということで、生徒がいる様子を見られた方がいいので、9月の頭に計画しました。
かなり大きな決断になるので、この時ばかりは夫も一緒に行ってもらいました。一方で、現地に行ってみて、娘が「やっぱり行きたくない」と言ったらそちらを尊重しようとも思っていました。
実際に母子留学することになったら、私も会社を辞めることになるので、そう言われることを20%くらい期待していたというのが本音です。
結局、後に転校することになる学校の一日体験から帰ってきた娘が「この学校にする!」と満面の笑みで帰ってきたため、私の行かないことになる希望20%は簡単に打ち砕かれることとなりました。
出典1:
https://www.international-schools-database.com/country/malaysia