多民族多文化と共に歩むマレーシア留学
前回は、受験とVisa事情についてお伝えしました。
私たちは母子留学ということで、実際に私と娘がマレーシアに引っ越すわけなのですが、文化の違いは本当に大きく興味深かったので今回は文化と学校についてお伝えします。
マレーシアは多民族国家
マレーシアには、大きく3つの民族の方々が暮らしています。内訳はインドネシアの流れを汲むマレー系マレー人、中国から移ってきたチャイニーズ系マレー人、インドから移ってきたインディアン系マレー人。さらにごく少数の先住民族の方が文化を保護されながら暮らしているそうです。
大きく3つの民族に代表されるように料理の種類も、マレー料理、中華料理、インド料理のお店はたくさんあり、さらに近代化により、タイ、イタリアン、バーガーチェーン、コーヒーチェーン、中東料理、韓国料理、日本食など食事については、探せないものがないくらいです。
また、国教としてイスラム教を採択しているため、主要な都市はもちろん小さな街にも必ずモスクはありますし、中華系の寺院、インドの寺院など様々な宗教施設をたくさん目にします。クリスチャンの方もいらっしゃるようで教会もあります。
見た目も服装も、食べるものも信仰も違う人たちが集うため、人と違うことは大前提として成り立っているように見えます。マレーシアに住むにあたっては、これらの多民族文化に最大限敬意を払いたいと感じています。この点は、娘ともよく話し合いました。
日本のものも割高ですがほぼ揃うので、同じように生活することは可能だと思いますが、日本と同じかどうかよりも、日本とどう違うかを積極的に楽しめる人がマレーシアに住むのには向いているかなと感じます。
日本に暮らしていると相手の状況を察することもしやすいし、それが美徳とされる部分も多少あるかなと思うのですが、マレーシアに暮らしていると察することはほぼ不可能。ただ、質問すると宗教のことも習慣のことも本当に丁寧に教えてくれるという印象です。
マレーシアでのブリティッシュカリキュラム教育
さて、話を留学に戻すと、娘の学校はブリティッシュ系インターナショナルスクールです。本校はイギリスにある学校ですが、そのような学校はどのようにマレーシアの文化と融合しているのでしょうか。
結論からお伝えすると、教育カリキュラムはブリティッシュだけれども、マレーシアの多様な文化に敬意を払ったスタイルというニュアンスが近いのかなと。
そもそも、マレーシアのカレンダーは冒頭お伝えした3つの民族の祝日を国民の祝日として取り入れています。というわけで、自動的にそれぞれの新年や宗教的に大きなイベントは学校も休みとなります。
宗教関連の祝日で主なものは、以下の通りです。これだけを見ても多様だなあと感じますよね。娘の学校では、この中でもチャイニーズニューイヤー、ハリラヤ、ディパバリ、クリスマスは学校をあげてお祝いします。
2月 チャイニーズニューイヤー
4月 イスラム教 ハリラヤ
5月 仏教 お釈迦様の誕生日
6月 イスラム教犠牲祭
9月 イスラム教 ムハンマド降誕祭
10月 ヒンドゥ教 ディパバリ
12月 キリスト教 クリスマス
食べ物についても、学校のカフェテリアでは、多様性に配慮した形で「アジアン」「ウェスタン」「ベジタリアン」の三種類からランチを選べるようになっています。
もちろん、子供の頃から断食を必要とするご家庭の場合は、別室で休憩を取れるなど十分配慮されています。
少し余談になりますが、学校の大切な集まりの初めには必ずマレーシア国歌(マレー語・英語字幕付き)を歌います。先生方の国籍割合は7割近くイギリス人と聞いていますが、そのような環境でもマレーシアという国に在ることを大切にしているのだなと感じました。元々いた学校で、日本国歌が流れることがなかったので、最初にマレーシア国歌を聞いた時は少し驚きました。
このような環境で教育を受けると、人と自分は違うこと、他の国や文化・宗教に敬意を払うことはもちろん、当たり前というものは存在しないことが学べることも多民族文化で暮らす恩恵だと感じます。
個人的な恩恵としては、スパイスLoverなので、いろんな国のスパイシーな料理を楽しんでいます。